
災害が多発する時代、土地を選ぶ際にハザードマップを活用するのはとても大事なんだ。ところが、便利でいいなぁと思う土地に限ってハザードマップ上、あまり好ましくない場所にある場合も多い。今回は、土地選びとハザードマップについて、どう上手に付き合っていったらいいか説明するよ。

確かに、ハザードマップ、浸水想定エリアなど、気になるワードがニュースでよく聞くよ。全部チェックするのは大変だよ。

南海トラフの想定エリア、15年ぶり改定のニュースが気になるわ。(R7年4月1日のニュース)

今、地球温暖化とか高熱化と言われるように、異常気象が普通に起きる時代。年々災害が多発する時代を迎えている。では、土地選びで最低押さえるべきポイントについて説明するよ。但し、ここでは新規で土地を選ぶ際のポイントだ。つまり建て替えを想定する人には向かない説明だ。でも、参考にはなるので建て替えの人にも是非とも読んで欲しい。
この記事でわかること
- ハザードマップで最低押さえるべきポイント
- 100点満点の土地が無い理由
- 自分なりの合格点を目指して土地選び
- 建て替えは、合格ラインを超える設計上の工夫を
家づくりが初めての方、マンションを検討、賃貸アパート、設計中の人にも、将来役立つよう、分かりやすく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
ハザードマップで最低押さえるべきポイントとは

最初に、サクッとチェックできる、ネットでわかる物件チェックのポイントについてご説明します。
最初に、昔は現地の住民に聞き込みしたり、役所で調査したり大変だったのですが、今ではネットで主なハザードマップを下調べできるスバラシイ時代が到来しています。
それが国土交通省でハザードマップを横断的に見ることができるサイトなのです。このスーパーマンみたいなサイトでほぼ全国が網羅されているのです。見たい土地の住所を入れるとすべての情報が出てくる、夢みたいな時代が実現しているのです。
また、今ほとんどの市町村でハザードマップがネット公開されています。まずは、そこを良く見て、今検討している土地にどのようなリスクがあるかを知ることから始めましょう。

先ずは、下記をリンクをクイックしてみてください。ざっと見たら戻ってきてその下をお読みください。
国土交通省ハザードマップポータルサイト ハザードマップポータルサイト
ハザードマップで最低押さえる項目は4つ

見ましたよ!じっくりと。でも結局よくわからなかったわ。専門用語も多すぎるし、何をどう調べて、それがどう役立つか知りたい。

そうですよね。これは、専門家が調査する際にすべての地図を一元化して効率的に調べるシステムなので、自分にとってどう役立つかを知るのは結構大変なのです。そこで提唱したいのが、最低限調べてほしいポイントです。
下記の項目は、不動産取引で最低限調べるポイントを列挙したものです。大きく4つに分かれます。
1.宅地造成規制区域 2.土砂災害 3.津波防災 4.水害ハザードマップ
下記は、不動産重要事項説明書の抜粋です。


では、解説しながら順に見て行こう
宅地造成規制区域・盛り土規制区域・・・気にしない!
令和3年に静岡県熱海市で発生した大規模な盛土崩落を受け、危険な盛土等を全国一律の基準で包括的に規制するため「宅地造成及び特定盛土等規制法」(通称:盛土規制法、「宅地造成等規制法」を法律名、目的も含めて抜本的に改正)が令和5年5月26日より施行された。

熱海の災害以降、全国で規制がどんどん進んでいる。また、首都圏で発生した残土を県を跨いで田舎の平地に盛り土する(事実上の残土処分)問題と相まって、全国で網掛けが進んでいる。各自治体では、違法な処理を規制するために、市町村全域を規制するなどしていることから、あまりにも広範囲になり過ぎて、切り土や盛り土の土地を規制する本来の意味合いから拡大したため、ぱっと見あまり参考にならなくなってきている。だから、土地を探す時点ではあまり気にしなくていい。というのが僕の見解です。
土砂災害警戒区域(特別警戒区域)
がけ崩れや土石流などの土砂災害から都民の生命を守るため、土砂災害防止法に基づき、土砂災害警戒区域(通称:イエローゾーン)および土砂災害特別警戒区域(通称:レッドゾーン)の指定を行っています。

感覚的に覚えておいて欲しい。原則:イエローゾーンは「その土地が気に入ってしまったら、まあ、しゃあないなぁ。場合によってはありかも。」レットゾーンはまず絶対無理!と覚えておこう。間違っても新規で土地を買うときにレットゾーンを買うのは一般人はやめるのが無難。できれば、イエローゾーンもだけれど。イエローゾーンまで全否定すると、その地域によっては、土地が全く見つからない場合もある。従って、土留め工事をしっかりするとか、1階をピロティーにして2階以上に居住空間を確保するなど、安全を重視した設計を建築士とよく相談してから土地を買おう。
ちなみに、僕はレットゾーンに収益物件があるけど、現金で買って回している。最悪浸水してパーになっても構わないという覚悟でやっている。(他人には勧めません。まして借入して購入は危険すぎる。)
津波防災警戒区域

これも、感覚的に海の近くは危ない!という感覚的なものだ。結局、どの程度の津波が来るかなんて誰にもわからない。但し、土砂災害と違って、水の勢いだから、その中に大きな岩とか石は含まれないと考えていいと思う。建物に津波が襲っても、想定される水圧に耐えられる強度と建物高さがあれば理論的には安全だ。ただ、新規で土地を買うなら、沿岸部であっても高台を選びたい。よって、原則警戒区域・特別警戒区域の土地は慎重に吟味しよう。ところで、沿岸部以外の土地を買う人は勿論、全く無視していい項目であることを付け加える。
水害ハザードマップ

現実的には、これを皆さん気にすると思う。水害や内水氾濫、雪解け水の氾濫、火山灰に雪が解けて流れる融雪泥流など。これらは、主に低い土地・かつて川であった場所(今は住宅地)などで、起きやすい。この水害ハザードマップは、ほぼ的中すると言って差し支えない。大雨ならほぼ床上・床下浸水する。なぜなら、水は低いところに流れるから。

僕が住もうとしているエリアは、浸水区域50㎝とあるよ。また、もう少し川の近くは4メートルと電柱に表示されていた。なんだか不安になっちゃうよ。

ロンくん、いいところに気が付いたね。今では、街の電柱にシールが貼ってあったりするね。日頃から告知をすることで住民に周知する効果があるんだ。
水害ハザードマップは偉大な預言者(的中する確率驚異の100%)と思っていいとおもいます。理由は水は低きにつき流れるからです。よって、できれば、盛り土で対応可能な50㎝から70㎝程度の場所ならやむなしですが、1メートル以上の場所は、避けたほうが良いとおもいます。建て替えの場合には避けられなもあります。その時は設計上の一工夫、必ず、垂直避難ができるよう、2階建て以上とし、2階を生活空間(リビングなど)、1階をカーポートか寝室にするほうが良いでしょう。

車は1階であっても、最悪近くのスーパーやパチンコ屋さんの立体駐車場に置かせてもらうなど日頃から車の避難場所を考えておこう。現在の平屋ブームに乗っかって、浸水エリアの平屋は逃げ場がないから注意。水害の心配な地域では必ず2階建の建築を心がけたい。
隠れ水害地域(内水氾濫)に注意
内水氾濫は、排水機能が追い付かず、家や土地が水浸しになることを指します。また、川の水位が高くなり、住宅地の水が逆流して水浸しになる場合もあります。内水氾濫は実績がわかりずらく、役所でもヒアリングをもとにしてハザードマップを作っているものの、すべてを把握しきれているわけではなありません。そこで、最終的に土地契約書にハンコを着く前に、古くから住んでいる地元民に「この辺は大雨で水が道路にあふれたりしたことはありませんか?」と聞くように心がけてたいものです。

餅は餅屋。その場所の情報は足で稼ぐしかない。特に内水氾濫は極めて小さい水害だから、土地の人に聞くのが一番。実際、僕がプロとして必ず、大雨の日・大雪の日、周辺はどうなるか、必ず周辺住民にヒアリングする。ここは外せないポイントだ!
100点満点の土地は無い
すべての条件を満たす100点満点の土地はなかなか、見つからないものです。そこで、命の危険が及ぶかどうかという点を基準に見ていきましょう。
- 土砂災害警戒区域・特別警戒区域・・・命の危険が及ぶ
- 津波防災地域・・・命の危険が及ぶが逃げられたり、津波より高く建築することができる
- 水害ハザードマップ・・・2階建て以上にすることで、ほぼ回避できる

土砂災害は一気に生き埋めという感じ。津波防災は津波避難タワーへ逃げたり、高い建物を建てると回避できる。水害ハザードは2階建て以上でほぼ助かるが、家は水浸し。よって、1は避ける。2と3は場合によりけりだ。
自分の合格点は何点以上
住みたいエリアが、4つ全部当てはまらないケース。逆にほぼ当てはまるケースがあります。そこで、自分の合格点を決めて選ぶことをおすすめします。

僕は、土砂災害だけは避けたい。水害は50㎝程度なら土盛りをして回避できるから、川の近くでもやむおえないかなぁ。家を建てる周囲だけ、少し土盛りするよ。

私の実家は、沿岸部にあるので津波エリアだわ。少し遠いけど、高台移転を考えたいわ。津波は50年に一度、何回も何回も襲ってくるでしょ。だから、移転をきっかけに絶対安全な高台を望むわ。

富士山の噴火が心配。一気に襲ってくるかも。とりあえず火山の近くは避けたいかなぁ。

価値観は人それぞれ。お金も有限だから、土地選びは優先順位をつけて選ぼう。ここは譲れない。ここは譲ってもいい。合格点は70点、60点、95点、人それぞれだからね。ただ、100点満点の土地はあなたの頭の中にしかない。現実的に土地を選び、家づくりに進んで行かないと、人生の時間がもったいないから。土地探しはあまり悩まなくてもいい。まずは、いろんな物件を見るところから進んで行けばよいと思う。そして、僕が不完全のようにあなたも不完全(かもしれない)だから、土地の欠点も少しは許してあげて、早めに建築し、人生の時間をなるべく多く、落ち着いた広いマイホームで確保することを最優先にして計画を進めてほしい。
建て替えは合格ラインを超える設計上の工夫を
今までは土地探しの方を対象にしてきましたが、建て替えの場合には、土地を選べません。自分の住んでいるエリアが、後からできた種々の法律で( )エリアに指定された場合、どのように対処すればよいのか。土砂災害は一気に生き埋めなので、致し方無い部分があります。しかし、津波・水害は対処のやり方、工夫の仕方は無限大です。
設計士とよく相談して、ハザードマップに示された危険を逓減できる工夫をしながら家づくりを進めてください。
尚、土砂災害特別警戒区域であっても、山側にコンクリートの土留めをつくるなど対策が出来なくもありません。但し、費用が多額となるのでやる人は少ないものです。設計士と資金面での相談をしながら進めましょう。
まとめ
今日は、土地を探す人がハザードマップをどのように参考にすればよいかについて解説しました。
この記事でわかること
- ハザードマップで最低押さえるべきポイント
- 100点満点の土地が無い理由
- 自分なりの合格点を目指して土地選び
- 建て替えは、合格ラインを超える設計上の工夫を

建て替えの方以外、土地を新規で買う場合のハザードマップ活用の仕方について解説しました。最終的には個人の判断ですが、(私見)これから新規で買う場合になるべく白地地区(ハザードマップで色がかかっていない地区)を選びたいものです。また、すべてを満たさなくても、命の危険を避けるイメージで選ぶとわかりやすいでしょう。それでは、皆さんごきげんよう!
番外編
ここまで読んでいただいた方、約10分はかかったでしょう。かなり熱心な方かもしれません。そこで、プレゼント。水ときたらやはり火を思い起こします。防火指定の確認もおすすめします。都市の街中では、防火地域・準防火地域が定められており、簡単に言うと、燃え広がらないような仕様に建物を強化しなければなりません。
逆に言うと、火災になるとドンドン燃え広がると大変なので、都会の密集地域が指定されています。土地購入を検討するエリアが防火指定・準防火指定がされているかどうかは、各市町村の都市計画図で確認できます。

例えば、僕の住む福島市では、すべて網羅された地図システムがあります。参考までに下記へリンクを貼っておきます。尚、あなたの住む市町村でも似たようなシステムがある場所が多いので、各市町村のホームページからと都市計画図を検索すると見ることができます。
下記の赤い点線で囲まれたのが防火地域です。

紫で囲われたのが準防火地域です。

防火指定と準防火指定の違いは、説明することも可能ですが、そこまで細部に入り込む必要は、ここではありません。まずは、防火が指定された地域は燃えやすい密集地帯、と覚えておきましょう。また、防火地域は町の中心部であることも多く、もともと便利な場所だから、建物と建物の間が接近しているとも言えます。便利な場所は必然的に、地価も高いし、高層マンションやビルが建てられるような地域でもある場合が多いのです。
そこで、防火地域を土地探しにおいてを避けるのではなく、建築費が若干多めにかかる(例:不燃材で覆う・火に強い網入りガラスにする・防火シャッターをつけるなど)場所と覚えておきましょう。
以下に地図を横断的に見れるサイトの例を示します。あなたの住む市町村にも同じようなマップがあると思います。調べてみましょう。
クイック後に右上、「都市計画情報から都市計画図」に飛んでください。
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