固定資産税は楽しい家の使用料!

固定資産税・都市計画税
ティカール
ティカール

4月の中旬 1年分の固定資産税が送られて来る頃だね。

ロンくん
ロンくん

ついに届いたよ。固都税の納付書だ!(固定資産税・都市計画税)ティカールさんが楽しい家の使用料と言っていたけど…。我が家にもついに届いたよ。

来るぞ、いつか・・・と思ってたけど。やっぱり来たら

ちょっぴりshock!だなぁ~

 ロンくんの家にも、ついに固定遺産税・都市計画税の納付書が届きました。ところで、この税金、何の税金なのでしょうか?

 固定資産税・都市計画税は、不動産の所有者(毎年1月1日現在)に課税される税金です。1年分の税額を4月・7月・12月・3月におおむね4分の1ずつ分割して納めます。

 ここでは、2つの税金を固都税(ことぜい)と呼ぶことにします。(都市計画税は都市計画法で定められた市街化区域に属する土地に対して、固定資産税とは別に課せられる税金ですが、固定資産税と同じように不動産に課せられえる税金なので、通常、まとめて呼びます。都市計画税は、町中にあるのだから余計に税金を払ってください!田舎じゃなくて都会なんだから…。)みたいな税金です。

 田舎では都市計画税が課税されない地域があります。この話は長くなるので別の機会に・・・。

素朴な疑問、何で税金を払わなければいけないの!?

 不動産を所有している間は、固都税が課税されます。

 

ロンくん
ロンくん

でも、ちょっと変じゃない? 

お金を銀行に預けても、利息は付きますが税金は課税されません。鉛筆や消しゴムなどの動産にも課税されません。なぜ、不動産を所有すると課税されるの?

 この疑問に答える前に、何の目的で課税されるかを説明します。

課税の目的はインフラ整備と都市の発展

固都税は目的税です。一般的な経費に充てられる普通税とは異なり、特定の目的のために課される税金です。

 その目的とは、地域社会のインフラ整備や公共サービスの提供を支えるために使われます。

  • 固定資産税は、土地や建物などの固定資産を所有している人が納める税金で、市町村が課税します。この税金は、道路や学校、公園などの公共施設の維持管理に充てられます。
  • 都市計画税は、都市計画事業や土地区画整理事業を進めるために課される税金で、主に市街化区域内の土地に課されます。この税金は、都市の発展や整備に役立てられます。

 不動産を所有することで、地域社会の一員としてその維持や発展に貢献する責任があると考えられているため、これらの税金が課されるのです。

 

ロンくん
ロンくん

でも、不公平じゃないかなぁ。
橋や道路は不動産を所有していない人も使うよ。都市に行ってショッピングすることもあるじゃない

ティカール
ティカール

さすが、ロンくん。痛いところ突くね。その通りなんだ。しかし、こう決まったのは、歴史的な背景がある。それをチョロッと説明しよう。

 固定資産税の発展は、日本の税制や社会の変化とともに進化してきました。その歴史を簡単に振り返ってみましょう。

  1. 地租附加税の時代(明治6年):
    • 固定資産税の前身として、土地に課税する「地租附加税」が導入されました。これは、土地所有者がその土地の価値に応じて税金を納める仕組みでした。
  2. 家屋税の導入(明治15年):
    • 土地だけでなく、建物にも課税する「家屋税」が導入されました。当初は大都市に限定されていましたが、後に全国に拡大されました。
  3. 固定資産税の創設(昭和25年):
    • 戦後の税制改革の一環として、シャウプ勧告を受けて「固定資産税」が創設されました。これにより、土地や建物、有形償却資産が課税対象となり、地方自治体の重要な財源となりました。
  4. 評価基準の見直し(昭和39年以降):
    • 地価の高騰に対応するため、土地の評価基準が見直され、課税標準額の調整措置が導入されました。これにより、税負担の公平性が向上しました。
  5. 現代の固定資産税:
    • 現在では、固定資産税は地方自治体の財源の約4割を占める重要な税目となっています。また、土地や建物の利用状況に応じた減免措置や特例も導入されています。

このように、固定資産税は時代のニーズに応じて進化し、地域社会の発展を支える役割を果たしてきました。

ロンくん
ロンくん

ハイハイ!わかりましたよーだ!

でも、どうも納得いかない。なぜ自分の家や土地なのに税金を払わなければならないの?

ティカール
ティカール

素朴な疑問だよね。実は土地は自分のもので自分のモノじゃないんだ!

ロンくん
ロンくん

えっ?!!!

僕が買ったマイホーム、誰のモノなの?

土地は国のモノ・家も国のモノ・実は自分のモノじゃなかった…。

 土地の所有者には、固定遺産税評価額(土地の価格)の1.4% 都市計画税は0.3% 合計で1.7%の税金がかかる。

 不動産投資の世界では、固都税を国(地方)に支払う使用料と考える。

ティカール
ティカール

 つまり、時代劇じゃないけど、田地田畑はお上のものなんだ。あなたはこの文章をスマホで見ているかもしれない。スマホはあなたのものだからスマホ税はかからないよね。またスマホ税をつくったら、政治家は次の選挙で落選してしまう。絶対やらないはずだ。

土地建物はお上のモノ。その証拠に固都税を毎年払っている。お上から見ると、収入が有る無しにかかわらず、田地田畑・家屋敷を所有しているだけで、毎年固定で収入を得ることができる、なんとも都合のよい税金なんだ。

ロンくん
ロンくん

確かに・・・。家屋敷を所有しているだけで、税金を納めろ!と言うのは都合がいいよね。金持ちは所有者で地主っ様。貧乏人は小作人、まるで時代劇みたいだよ!

ティカール
ティカール

ロンくん、鋭いね。

米の収穫量や現金収入に掛ける税金は、正比例するけど、土地の広さに掛ける税金は固定なので取り立てするお上に都合がいい。また、地主やお金持ちから税金を取るためには、その財産に課税するのが都合が良かったんだ。

 資産に課税されるのはお金持ちの証拠だからね。そういう歴史的背景があるんだ。今でも、地方税の何と6割が固都税から得ているんだ。

 税金を払うのは金持ちのステータス、

 税金を払ってやったよ!

貧乏人は俺が面倒をみてやってるんだ

ティカール
ティカール

 納税はお金持ちの証拠

不思議な感情ですが、こういう虚栄心みたいなところをくすぐる絶妙な制度が財産税なのです。

 あなたも、同僚や飲み屋さんで、「いやいやぁ、大変だよ。マイホーム買っちゃったから、税金の支払いが大変なんだよ」と言ってみてください。

オクさま
オクさま

確かに、

自慢にしか聞こえなーい!

ロンくん
ロンくん

でも、ここで疑問が出てくる。

僕は昨年1000万円の土地を買った。今年の税金は、年間23800円を支払う。

内訳は次の通り

(評価額が719万円 ここから軽減措置を受けて

 固定資産税の課税標準が119万円×税率1.4%=16700円

 都市計画税の課税標準が239万円×税率0.8%= 7100円

 銀行に預けているときは、利息がちょっぴり付いたけど、23800円を払わずに済んだ。

 これって不公平じゃない!

1千万円のお金が土地に変わっただけなのに。

ティカール
ティカール

ロンくん、いいところに気が付いたね。不動産を持つ人が有利とは今時言えない。負の動産と言われているんだ。売るに売れない、親から不要な不動産を引きついだり、耕作放棄地や維持管理できず廃墟になったり、今、不動産所有=金持ちとは言い切れなくなってきている。 

 むしろ、現金という流動性が高い自由なポジションを維持している人が有利と言える。

 つまり、不動産所有者=金持ち神話が崩れ、現金や株式の所有者=金持ち、に変化してきた

 また、数億、数十億という資産家、この人が株や債券・現金を所有していても、年間で1円も支払っていない。ところが、一般の平リーマン(サラリーマン)が家を買うと、年間数十万円の固都税を支払う。明らかに不公平のような気がする。

 いずれ、金持ち・富裕層の現金等の流動性資金に税金を課税する動きが出るかもしれないが、今の日本では、まだ先かもしれないね。

  

ロンくん
ロンくん

じゃあ、どうすればいいの?家を買ったのは間違いだったの?

ちょっと不安・・・。

固都税の金額は家を建てる前に調べよう!

 固都税に、いろいろな不平等感や時代にマッチしていないなどの課題があるものの、法律で決まっているのだから、仕方ありません。(納税の義務)

 せめて建築前に調べておくことで心構えができます。具体的には、土地の所在地のわかる資料と建物図面(仕様書)をがあれば、市町村の税金の窓口で相談するとおおよその税額を知ることができます。

 目安として、年間固都税が老後の生活で充分払える程度であるかどうか?を基準に考えましょう。通常、鉄骨やコンクリート造より木造の方が固都税が安い。年額を毎月で割り、1から1.5万円程度であれば普通(地方都市)です。

ティカール
ティカール

固都税が生活を圧迫していたお客様の事例

 ご年配の奥さま(夫は他界)はお一人暮らし。家はご主人が会社経営をされていた時に新築、かなり大きめの住宅でした。築20年のコンクリート造 延床面積が100坪、土地の広さは分譲地2区画分。年間の固都税が48万円。毎月に割り直して、毎月4万円。毎月お家賃のように、固都税が生活を圧迫しておりました。最終的に自宅を売却し、現在は、高齢者用の賃貸住宅にお住まいです。

 

固都税は楽しい家の使用料

 固都税は、借金ゼロの住宅にも、毎年課税されます。つまり「楽しい家の使用料」を永久的に国に支払いつづけることになります。税率が約1.7%のとき、約59年の総額が不動産の値段分の税金を支払うことになります。(厳密には売買価格と固定遺産税評価額は異なりますが・・・。)

 不要な不動産を所有すると、毎年貧乏になってしまいます。よって、老後の生活を圧迫しない程度の、大きすぎない家、豪華すぎない家、すなわち普通の家を建てましょう!これが結論です。

ティカール
ティカール

固都税が「まるで家賃みたいな金額だなぁ。」とあなたが感じるなら、将来の売却も考えた方がいいかもしれませんね。また、一部を賃貸に回すなど、資産運用・資産保全を少しずつ考えましょう。

 今、実家暮らしの人、独身の人、親が払ってくれている固都税は年間幾らか聞いてみましょう!

 例えばマンションで月々の維持管理費が老後生活を圧迫する事例

 固都税額の毎月割額が1万円、修繕積立金2万円、管理費7500円、火災地震保険料毎月5千円、合計42500円を毎月支払っている。これって・・・・まるで、家賃みたい・・・と思っているとしたら、そこそこ新しい賃貸に住み替えて、キャッシュポジション(マンションの売却益を現金でキープしておくこと)を厚く持つのも、将来の安心材料となるかもしれませんね。

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