こんにちはティカールです。
僕の簡単なプロフィールはこちら
宅地建物取引士として21年間、不動産と住宅界隈にいる。Mサワホーム8年、S水建設3年、不動産業を会社をスタート、連続黒字決算13年、Fireを達成。毎年数件から数十件収益物件を買い進めている。
こまったなァ~、住宅展示場に行ったけど自分にピッタリの広さがわからないよ~!
住宅展示場は大きすぎて、実感わかないわ。
(幼なじみ)ロンくん、やぁ!、久しぶり。二人がそう思うのも無理はないね。実は、自分たちにとってちょうどいい家の大きさを知る方法があるんだよ・・・。取って置きの方法だから、知っていて損はない。わかりやすく説明するね!
この記事でわかること 3つ
- 家族数と広さの相関
- 最低限必要な広さは?
- 無駄な広さ=【余裕】のわけ
家づくりが初めて、マンションを検討、賃貸アパート、設計中の人にも役立つよう、分かりやすく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
この記事は初心者向けの考え方を示した記事です。個別のケースでは当てはまらない可能性があります。ご承知置きください。
日本人の平均的な広さ、家族数との相関
日本人の平均的な住宅の広さはどのぐらいか?国土交通省の居住面積水準から、「豊かな住環境の実現」として示されている面積
地方の場合 | 都市の場合 |
2人暮らし 30㎡( 9.5坪 ) | 55㎡(16.63坪) |
3人暮らし 100㎡(30.25坪) | 75㎡(22.68坪) |
4人暮らし 125㎡(37.81坪) | 95㎡(28.73坪) |
参照令和5年度 住宅経済関連データ – 国土交通省 (mlit.go.jp)
坪とか言われてもわからないよ!
起きて半畳寝て一畳 大の字一坪(大の字一坪とは僕の作った造語です。)。
坪とは畳2枚分の正方形の面積。ロンくんが手と足を広げて大の字に寝た時の広さ。
「坪」単位は、生活に根差した単位だから今でも住宅・不動産の世界で広く使れている。人の感覚からくる単位だから、メートルよりもピンと来る人も多いんだ。
国土交通省の統計データーから、一人平均7~9坪、と言われている。
一人当たり7坪を切ったら、ちょい狭(コンパクト)な家に感じる。
逆に9坪を超えたら、余裕のある広さ、と感じる。
人の感覚値なので、平方メートルよりピタット来るんだよ。
へぇ~、わかるようなわからないような・・・。
とりあえず、大の字で寝て9個分が余裕のある大きさと覚えるよ!
最初に、次のことを覚えると、家づくり・土地探しに便利です。
- 一人当たりの広さの目安は7~9坪
- 7坪を切ると、ちょい狭(コンパクト)に感じる
- 9坪を超えると余裕(ゆったり)を感じる
私は、余裕のある暮らしがしたい!
皆さん、そう願っていますよ。でも、お金や土地の広さは有限です。
都市部の新築マンションは20~25坪を目安につくられていますね。規格住宅の場合には広さを自由にカスタマイズできないこともあります。まずは、広すぎず、狭すぎず、ロンくん一家にとってちょうどいい広さの家を考えましょうね。
次に、各居室ごとの最低限必要な広さを見ていきましょう!自分たちにとって狭すぎず、広すぎない家の面積がわかれば、少しは不安を解消できるかもしれませんよ。広すぎる家の掃除は、オクさまの負担になります・・。
はい。私たちにぴったりの広さが早く知りたい!
家全体の最低限必要な広さは?
家全体で最低限必要な広さがわかれば、住宅を選ぶときに快適に住めるか?住めないか?その場である程度の判断(ジャッジ)を下すことができます。
まずは、4人家族の例を見てみましょう。
28坪 | 快適に住める 〇 | 一人当たりの最低面積@7坪×4人家族=28坪(目安) |
24坪 | 何とか住める △ | 全体にコンパクト感は否めない。物を増やさない努力が必要な住まい。 |
21坪 | 工夫次第で住める× | 夫婦2人で子供が小学校低学年なら余裕がある。 各自の部屋はギリギリ。 @3人×7坪=21坪 譲り合いの精神が必要な住まい。 |
4人家族にとって最低限必要な面積は、21坪(3人家族が快適に住める面積)が必要。
4人家族に最低必要なのは21坪(3人にとって快適に暮らせる広さと同じ)
へぇ~こんな感じで広さを考えればよかったのか。
仮に28坪の家を建てるとして、僕の書斎・趣味の部屋は入ってますか?
残念ですが、28坪では、面積の関係上、確保するのは難しい。主寝室と子供部屋2つを確保することが優先になるから。書斎や趣味部屋には余裕のある面積が必要。一人平均7~9坪なので9坪に近い家。4人家族なら、36坪前後必要。
私の家事コーナーは確保してほしいですね。
家事コーナーや書斎コーナー、リビングの一角にテレワークコーナーなら28坪でも可能です。
各居室ごとの必要な広さ と 無駄=【余裕】の理由
どんな広さの家でも、家として必要不可欠な役割を果たすスペース(必要な部屋)があります。このスペースは、広い家でも、狭い家でも、実は同じです。
家として必ず必要なスペース
- サニタリースペース(➀お風呂②洗面所③トイレ)
- 調理スペース(キッチン)
- 出入口スペース(玄関)
当たり前じゃん!!
そう、当たり前です。
でも、当たり前を先に確保すると、残りは部屋。つまり、残りを居住空間とすることで、自分たちにとって最適な部屋割りが見えてくるんだ。次に、各部屋ごとの必要なスペースを解説するよ。
サニタリースペース(お風呂・洗面・トイレ)
➀お風呂
1坪が基本
日本のほとんどのお風呂メーカーでは戸建て住宅のお風呂サイズは畳の長辺の長さ1.82メートルを基準にでつくられています。業界では1616サイズと呼ばれています。
へエーそうなんだ。僕が今住んでいるアパートはちょっと狭い気がするよ。足を曲げてはいらないといけない。足を延ばして入りたいよ!これは僕のアパートは一坪タイプなの?
おそらく0.8坪又は0.75タイプという一回り小さいタイプだと思うよ。
戸建住宅や分譲マンションは1.0坪タイプを基準にして、順に1.25坪、1.5坪と上がっていく。2坪、3坪のお風呂をつくることも可能。しかし水栓金具・バスタブ等の自由度が増す分、現場施工が増えるので水漏れの発生確率が上がったり、タイルと浴槽の取り合いにカビが発生したり、工場生産のユニットバスに比べメンテナンスコストかかります。
結論、通常は1.0坪あれば充分。1.25坪、1.5坪のお風呂は
洗い場が広いだけで、バスタブの大きさは一緒のケースが多いんだ。
各住宅設備メーカーでお風呂の大きさは微妙に異なります。入替用の商品としてオーダーメードが可能で、ミリ単位でカスタムできるメーカー(タカラスタンダード)などもございます。ここでは、基本を押さえる意味で3パターンに分けて説明しています。
筆者作図
②洗面所(脱衣所)
洗面所と脱衣所?どう違うの?
脱衣所も洗面所も明確な違いはなく、通常同じ意味で使用します。お風呂の前に洋服を脱ぐところ、また洗面化粧台を置いたり、洗濯機を置くスペースとなります。最低必要な広さは一坪となります。
お風呂1坪と洗面所1坪で合計2坪必要なんだね!
洗面スペースを広くすると、椅子が置けたり、タオルを収納出来たり
扇風機を置けたり、これが余裕のスペースって奴ですか?
ロンくん。いいところに気が付いたね。それが余裕のスペースということ。椅子や扇風機を置いたり、タオルや下着の収納庫。家族の朝のラッシュに対応できるように、ツーボール洗面化粧台もある。
リクシルより引用LIXIL | 洗面化粧室 | ルミシス/ボウル一体タイプ
③トイレ
トイレは、畳1枚の大きさ0.5坪で計算します。1坪(畳2枚)は通常不要です。但し、身障者トイレは中で車いすを回転させるので必要かもしれません。
ここではひとまず0.5坪が必要スペースとなります。
お風呂1坪と洗面所1坪とトイレ0.5坪で合計2.5坪。2階建ての家なら、2階にもトイレは欲しいから、合計3坪必要だね。
調理スペース(キッチン)
アパートのキッチンはコンパクトにつくられているから、今度は広いキッチンが欲しいわ!
キッチンで必要な面積は、2.5坪です。畳5枚で計算します。例えば2階建34.5坪の家(1階約17坪)で考えてみます。
キッチン部分を拡大すると
赤で囲まれた部分が2.5坪(5畳)となります。
キッチンの後ろ(北側)には、食器棚や冷蔵庫も置けそう。小さな食品庫も作れそうね。
あれ、よく見ると、サニタリースペースとキッチンはすべて北側に揃っているね。
ロンくん。また、いいところに気が付いたね。水回りは北側に寄せる
これは、間取り設計の基本なんだ。
暖かい日の光があたるところを居室にしたいよね。また、裸になる脱衣所やトイレを明るい場所にする必要もないよね。トイレから絶景を見たい!リゾートなら別だけど…。通常は、南以外にトイレをもっていくよ。
さらに、キッチンは野菜や果物・お肉やお魚を調理するところだよね。
直射日光の入りやすい南側や夏の西日のキツイ西側には置かないのが原則なんだ。
へぇ~そんな決まりがあるの?知らなかったぁ。学校で教わってないよ。でも、昔おばあちゃんが言ってたのを思い出したよ。西日はモノを腐らすっから嫌いだって。
そうだね。昔の人は知っていたんだね。ゴルフでも将棋でも囲碁でも、上達するためには指し手・定石・型がある。ココを押さえると、上達も早い。プロスポーツ選手ほど基本を大事にするよね。
間取も一緒、昔から良いとされていることがある。時代が変わっても、変わってないことも多い。
定石を押さえながら間取りを決めることをが大事なんだ!
ぼくは、建築不動産業界に27年以上いるけど、
今まで何万件通りの間取り図、実際にいろいろな人のお宅を訪問し、その人の辿った人生を見てきたけど、変な間取り、定石から外れた間取りは、必ず苦労する結果につながるよ!また、精神障害や犯罪を犯す人の家の間取りは、やはり変な間取りに住んでいる人が多いことが統計的に知られているんだ。だから、原則を知って例外的な間取りを敢えて考えるのはいいけど、原則から外れるのはとても危険なんだよ。
話を戻します。
無駄な広さ=余裕の広さ とは定石を押さえたうえでのプラスアルファーの広さの事です。ここでは、キッチンを例に図面で説明します。5帖のキッチンの寸法
5帖のキッチンだと、2人~3人で作業する場合にすれ違い時に作業効率が落ちる。包丁を持っている人にぶつかると危ない。キッチンの作業スペースが足りなくなる、という懸念がある。6帖キッチンの寸法
6帖のキッチンは5帖のキッチンと比べて、北側の食器棚まで約20㎝広くなったので作業がしやすい。L型すればさらに作業効率は上がる。
友達とワイワイホームパーティーをしたいなぁ~キッチンはやっぱり6帖は欲しいよね!
親しい友人や実家の母と台所に立つなら、キッチンは5帖で充分だわ!
オクさん!キッチンは5帖のままにしてその分リビングが広がれば、リビングの一角に家事コーナーが作れるかもしれませんね。
キッチン以外にも、
1坪のお風呂で十分だけど、子供が3人いてみんなでワイワイ入りたい場合には広い洗い場が必要です。(浴槽も広ければベストですが、浴槽に貯める水の量が増えるので、水道料金と直結します。子育て世帯には厳しいかもしれません。)
トイレに小さな手洗い場をつけたい場合には、ちょっと広めのトイレスペースを確保する必要があります。
出入口(玄関)
無料ですぐ使える マイホームクラウド (myhome-cloud.net)より引用
家には必ず出入口が必要です。出入口は、8方位及び例外1か所、合計9か所以外にありません。出入口の場所は、道路付け、居室の優先度、家相などによって決まります。
また、出入口の位置が決まったら、次に来るのは玄関ホール(靴を脱ぐ場所)です。
出入口とその玄関は、住宅にとって必ず必要なスペースです。外と内を繋ぐ中間地点が玄関。クッションの役割を果たす場所。花粉やほこりを払って、室内に入れないための場所でもあります。
この二つを合わせて2坪は必要になります。
ちなみに、玄関を開けて、いきなりダイニングテーブルが置いてあるような間取りが、賃貸アパートによくあるけど、あれって変だよね。お客さんが来たら、いきなり食卓テーブルが見える。玄関は内側と外側の接点。そこには緩衝材のような場所が必要だ。玄関の次に玄関ホールがあって、お客様を出迎えるところ、ほこりを落として室内に持ち込まないようにするところが必要なんだ。この原則を知って、例外的にホールをリビングと一体化する間取りもあるけど、僕はあまりお勧めしないよ。
見た目は広くていいですが、外と内の緩衝材となる洋間がかなり開放的です。あまりお勧めできません。
どんな家でも必ず必要になる居室7.5坪を確保しよう
サニタリー・キッチン・玄関のスペースを表にまとめると次の通り。
お風呂 | 1坪 |
洗面所 | 1坪 |
トイレ | 1坪(0.5坪×2か所) |
キッチン | 2.5坪(5畳) |
玄関と玄関ホール | 2坪 |
合 計 | 7.5坪 |
合計で7.5坪が必ず必要な居室スペースです。よって、30坪の家なら自由に使えるスペースは、
計算式 30坪-7.5坪=22.5坪
22.5坪の中で、必要な部屋(リビング・ダイニング・各居室)を割り振ればよいということになります。
畳数で表示すると、22.5×2=45帖(畳)となります。
坪と畳(帖)の関係、間違わないようにね!
生活の広さは帖で考えよう!例えば、子供部屋は畳6枚分欲しい!とか、いやいや、4.5帖で充分。その代わりクローゼットを広くしてあげよう、とか。生活に根差して考える上では帖で考える。家全体では坪で考える。これがコツだよ。
ところで、子供部屋の広さだけど、8帖を超えると、テーブル・コタツ・ソファーなど、いろいろ置ける。子供にとってリビングやダニニングより自分の部屋の居心地が良すぎると、子供は自室へ籠り気味になるから要注意!快適なのはリビング・家族の集まる部屋を一番居心地を良くするのがポイントだよ!
帖数割の具体例は次の通り
4人家族を想定します。子供部屋6帖とクローゼット1帖の計7帖 これが2部屋必要なので、14帖。 夫婦の寝室は8帖にベット2台を置いて、夫婦のとクローゼット4帖、計12帖。リビング8帖、ダイニング8帖で合計16帖、ここまで使用した帖数は
- 子供部屋ニか所 14帖
- 主寝室 12帖
- リビングダイニング 16帖
- 合計42帖・・・使える帖数は45帖なので、収納か廊下か階段で、3帖を使う。
もう少し、リビングが広く欲しい、ダイニングが広く欲しい場合には、どこかの部屋を削るか、家自体の面積を大きくする必要があるね!
まとめ:ピッタリの家の広さは何坪(㎡)?
今回は、初心者向けに、自分たちにとってちょうどいい家の大きさを知る方法を解説しました。
この記事でわかることは3つ
- 家族数と広さの相関
- 最低限必要な広さは?
- 無駄な広さ=【余裕】のわけ
大まかには、次の3つを覚えておくことが大事です。
3つのポイント
・一人あたり必要な広さは7~9坪。余裕のある生活を目指すなら9坪を目指そう!
・4人家族なら28坪が目安!
・無駄な広さ = 余裕の広さ 定石を押さえたうえでのプラスアルファーの広さが大事!
一言で結論 「一人平均7~9坪あれば、余裕のある暮らしができます。」
読者の皆さん!
平均値はあくまで、単なる全国平均です。平均値通りに家をつくろう!という人はいません。統計上の数字に過ぎないのです。
平均値を目指して選んでも成功するわけでも幸せになるわけでもありません。
自分にとって最適な広さとは、その家で何をするか、したいのかで決まります。あなたにとってピッタリの大きさを見つけてください。
そして、必要なスペースを先に確保して、残りで部屋割りをしましょう。サニタリーとキッチンと玄関で必要な広さはおおむね7.5坪です。30坪の家なら、22.5坪が居住空間になります。
家づくりの定石を知れば、初めての方でも85点以上の間取りは作れます。これからも一緒に勉強して、賢い大人になるためいっしょに学んで行きましょう!それでは、皆さーん、いってらっしゃい!
余談:こぼれ話(時間の無い方は読み飛ばしてください。)
私は一貫して、子供部屋は快適すぎない広さを推奨してきました。具体的には、ベッドと机及び本棚を置いたら、床が少し残る程度。4.5帖から6帖といったところです。8帖になると、床に四角いコタツテーブルが置けます。また、ポットや冷蔵庫・テレビなど、まるで、家の中の家みたいに家具を配置できるのです。
一見便利でいいようですが、家の中に家はいらない!と私は思います。
私の考える理想の家は、子供も親も、みんな一つの空間(リビングに集まる)センターリビングの発想の家が理想と考えます。
ただでさえ、子供が小学校高学年になると、塾や習い事、部活動で、親子が一緒にいる機会が少なくなります。共働きのすれ違い夫婦と、すれ違い子供。
そこで、リビングを居心地よくして、にいかに子供たちを自然に呼ぶか?を工夫する必要があります。その為に、子供部屋を学習準備室、外で何かを演じるための楽屋、衣裳部屋のような意味合いにとどめるべきではないかと思います。
我が家では、子供部屋は5帖、今は大学生の娘が自分の部屋をZoom会議で使用します。日々の勉強はダイニングに大き目のテーブルを置いて、子供達が一つのテーブルで勉強や読書をするように仕向けてきました。また、くつろぐのはリビングのソファーでというように…。
また、私自身も両親から与えられた部屋は4.5帖。収納は充実しており2帖程度ありました。机とベッドを置いたら、あまり空間がありません。そこで腹筋やスクワットをして鍛えていました。小さな空間で工夫する知恵を得たことを両親に感謝しています。
要は、自然に、リビング・ダイニングに家族が集まる設計をするのが良いと思います。
皆さんの家は、家族が集まりたくなるリビング・ダイニングになっていますか?また、家を建てるならどのような家を目指したいですか?
ぜひ、コメント欄にご意見を御聞かせ下さい。
どうぞよろしくお願いいたします。
コメント