こんにちはティカールです。
住宅会社最大手で8年間営業としての経験を積み、スーパーゼネコンの営業職へ転職。数年後に独立し不動産業をスタート。平成20年より会社経営。現在、Fireを達成。毎年数件ずつ収益物件を買い進めている。
【30代独身みじめ?】僕はそうは思わないけど、みじめに思う必要はないと思うよ。
自分が結婚しているからそう思うのかなぁ~。
結婚するしない、いろんな価値観があってもいいじゃない。
そうだね。今回の話は、僕のお客様「T子」さんの話なんだ。(本人の承諾を得て、この話をするよ。)僕の会社では、近年、独身で家を求めて来社する方が、ここ10年前に比べると、年々増えているよ。
今回はT子さんの事例から、①「30代独身者【感じ始めた不安感】②自分がダメな人間なのではないか、みじめに思えてくる③将来不安がさらに膨らむ段階④行動に出る(解決策の一つ家を買う) 以上を「T子」さんの事例から一緒に考えてみるよ。
この記事でわかること
- 30代独身者【感じ始めた不安感】
- 自分がダメな人間なのではないか、段々みじめに思えてくる
- 将来不安がさらに膨らむ段階
- 行動に出る(解決策の一つ家を買う)
この記事は一つの考え方を示した記事です。価値観・趣味・思考等によっては、個別のケースでは当てはまらない可能性があります。ご承知置きください。
30代独身者【感じ始めた不安感】
T子さんは35歳の女性で、私と同じ不動産業界で活躍されています。20代の若い頃は感じなかったそうですが、30歳になった頃より、よく「毎回、友達の結婚式にお呼ばれするけど、ご祝儀袋はたぶん私に還ってこない、損してばかりだ…。」と冗談でお話していました。「T子」さんは、バリバリ仕事をする方で、明るく、前向き。過去、彼氏さんのような方がいたような感じですが、現在はいないそうです。
ところで、私の会社と「T子」さんの会社では、「居住支援協議会」に協力して、住宅確保要支援者への支援を行っています。彼女も勤務先で「居住支援事業」に積極的に取り組む中で、何か思うことがあったようです。住宅:住宅セーフティネット制度 – 国土交通省 (mlit.go.jp)
住宅確保要支援者とは?
確保要支援者とは、自力では家を準備できない人たちのことを指します。例えば、旦那から家庭内暴力を受けてシェルターに一時避難中の母子、刑務所から出所して無職の人、高齢で身寄りがないため新規で家を借りられない人、等々です。
このような不安を抱いている人を支援するため、国交省・都道府県および業界団体(不動産協会・建築士会など)が協力して、「居住支援協議会」を各都道府県に設置しています。
私の会社では、相談者に向き合い、住宅紹介の支援をしているのですが、同業者を見渡すと、本気で支援をする人は、協議会の中で数人いるかいないか、なんとも情けない状況です。
ほとんどの会社は協議会には一応加盟したものの、本音ではやりたくない人たちの集まりではないかと思てしまうほど、みな消極的です。
本気で住宅確保要支援者へ支援をする人は少ない
私の考える本気で取り組まない理由はおおむね次の通り。
大家さんの利益にならないから
困っている人達に理解を示す大家さんは稀です。(支援が必要なのはわかりますが、自分の所有する物件には入ってほしくありません。(家賃未払・トラブル・夜逃げ…などが心配)普通の人に入って欲しと思っています。大家さんの考える普通の人とは、「企業にお勤め、転勤等で来た、妻子持ち」など。実際にこういう人は少ないのですが、【入ってほしいという幻想】を誰もが持っていると思います。大家さんが公共団体なら、これは問題ですが。実際は民間企業なので「入れる・断る」は大家さんの権限なのです。
不動産業者に相手にされない
一方、支援する立場(不動産会社・建築士・保証会社)にとっても同じことが言えます。社会的な必要性はわかりますが、困っている人に物件を紹介しても成約の可能性は低いです。不動産業者の中には、最初から相手にしない人も多いと思います。なぜなら、いろいろな手を尽くしても、誰にも相手にされずに困って相談に来ている方々だからです。
(私の経験からも、支援を必要とする人の中には、個人的な困りごとの相談をされる方もいらっしゃいます。)
また、お金のない人ほど、例えば小さなミス(入居費用の合計が若干増えた場合など)に非常に大きく反応するので【きればお金持ちを相手にしたい】というのも本音だと思います。
さらには、営業担当者がOKでも、その上司が反対する場合もございます。
そんな中でも、「T子」さんは、困っている人に寄り添い、物件を探したり、保証会社と交渉したり自分のできることを精一杯する方でした。
「T子」さんが支援で気付いたこと
彼女は、多くの困っている人に物件を紹介する中で思いました。自分が取り組む要支援者の姿は、将来の自分の姿ではないのか…。
要支援者が家を借りる・買うためには、経済的な資本・人的な資本の両方が揃っていることが条件となります。(尚、人的資本がない場合でも経済資本があれば何とかなります。)以下に、要支援者(高齢者)が家を借りるための主な条件を示します。
- 自己資金があること。(最低300万円の通帳残高の提示)
- 定期的な収入(年金)が充分あること(最低月額10万以上、理想は15万円以上)
- 連帯保証人および身元保証をつけること※連帯保証人と身元保証は違います。連帯保証人は本人同様の借主としての責任を連帯して負うこと。(主に家族・親戚が本人の保証人となるケースが多い。)身元保証とは、死亡時に葬儀・片付け・光熱費精算、退居手続き等をする人。孤独死の場合に特殊清掃を含む)
1~3は不動産会社が入居審査をする際に判断するための材料の主なものです。「全部そろわない場合には、1がない場合でも2があればよい、その逆でもよい」など個別具体的に判断します。また、身元保証や葬儀保証などは、毎月掛け金を支払って保証をしてくれる会社もありますが、中には身寄りのない高齢を明らかにカモにするNPO業者や民間事業者もいるので、要注意!
高齢者…「家の確保に困っている姿は、まるで30年後の自分」?
「T子」さんは、この姿は私の30年後の自分なのではないか、もしかしたら、私の母もこうなっていたかもしれないと…。
そして、将来への備えを今から始めないといけない、私にはまだ30年間ある。計画的に準備して将来に備えよう、と思ったそうです。
遂に【30代独身みじめ】からの脱出を決意
「T子」さんが、最初に決めたのは、家を建てることでした。自分が不動産会社に勤務しているのも影響していると思います。また、「衣・食・住」の内、「住」という基盤が揺らいでいる人を見続けた経験も、大きく彼女を後押ししました。
弊社が「T子」さんから相談を受けた日、開口一番言われたのが、次の言葉でした。
【バリバリ働く女性にとって一番いい家】ではなく【独身者が一生住める普通の家】を建てたい!
というものでした。
私のアドバイス 5つ
私は次の5つをアドバイスしました。
- 家は35年の最長ローンで買い、70歳完済を目指す。
- 間取りは何時でも貸せる・売れるように4人家族向けの標準的な間取りとする。
- メンテ費用を極力減らすために、屋根は洋瓦・外壁は光触媒。
- 太陽光発電を設置して、老後のお小遣いを毎月生み出す。
- 土地は郊外に安く求め、但し市街地中心部かインターチェンジや工業団地の近くを狙う。
この条件を順に解説します。
家は35年の最長ローンで買い、70歳完済を目指す。
最初に「T子」さんに申し上げたことは、今「T子}さんは30代ですが、ローンを組める年数は一般的に35年が最長です。(50年ローン、親子リレー返済などもありますが、子供の人生に手かせ足かせをはめるのはおすすめできません。)現在大手企業では退職年齢を60歳から段階的に引き上げて65歳定年とする動きがあります。政府でも年金制度維持のために、将来は70歳程度になるでしょう。そこから逆算すると、遅くても70歳までに完済を目指したいものです。35歳を目安に、35年ローンを組まれてはいかがでしょうか。また、稼いだお金を少しずつ貯めて繰り上げ償還し早くローンを終わらせましょう。
いつでも貸せる・売れるよう、4人家族向けの標準的な間取りとする。
家は資産です。資産は資本と負債に分かれますが、ローンを払うというのは、(-)負債を(+)資本に移す作業と一緒です。しかし、人生何があるかわかりません。現金がどうしても必要になったとき、短期間に家を売ったり貸したり出るように、設計段階から、間取りや広さを工夫しましょう。
またスケルトンインフィル(構造体と設備を分離)で作りましょう。次に使う方のことを考えて。
メンテ費用を極力減らす上で、屋根は洋瓦・外壁は光触媒。
家のメンテナンスで、お金がかかるのがハード(構造体・外壁・屋根)とソフト(給湯器・エアコン・洗面化粧台など)に分かれます。現在、技術革新が進み、35年程度は瓦や外壁でメンテナンスがほぼいらない優れものが出てきています。若干の初期投資はありますが、塗り替え・貼替に比べれば、初期投資の方が得です。そのような優れものの建材は積極的に採用しましょう。
太陽光発電を設置して老後のお小遣いを毎月生み出す。
できれば「お金がかかる家ではなく、家からお金をもらう家」にしましょう。老後のちょっとしたお小遣いが生み出せればいいですね。その為に、太陽光発電を載せましょう。敷地に余裕があれば、一部駐車場にしたりできます。また、今後の異常気象はより激しくなるはずです。世界的な穀物価格・食糧難が予想されますので、お野菜を育てるスペースをお庭に確保しましょう。
土地は郊外に安く求め、但し「インターチェンジや工業団地」の近隣を狙う。
地方都市は人口減少が加速しています。土地価格は下落傾向にあり、コンパクトシティー化が進むでしょう。土地の値下がりしずらい場所は主要な駅近くですが、既に土地価格が高いです。土地を求めるなら、総額を押さえるため、郊外を利便性の高い場所を狙いましょう。例えば、郊外でも需要が下がりずらい、アクセスの良い場所、例えばインターチェンジの近くや工業団地の近くを狙いましょう。
以上の様なアドバイスをさせて頂きました。
「T子」さんのその後
「T子」さんは今日現在、30代後半となりました。家を建て、お一人と犬の二人暮らし、時々お友達とホームパーティーをしたり、実家の両親が泊まりに着たり、今の家にとても満足されています。
ちなみに、新築で貸した場合、月額10~13万円のエリアとなります。毎月の返済は約8万円、固定資産税や保険料を入れると約9.5万円となります。いままで、72000円の賃貸住宅に住んでいたので、負担額としては、プラス28000円となります。
ローンはいずれ終わるので、完済後の固定資産税と保険料の毎月の負担額は約1.5万円程度と予想されます。
まとめ
今回は「30代独身みじめ」家を買う と題して「T子」さんの事例から、独身者の不安を少しでも和らげることができるよう解説しました。
- 30代独身者【感じ始めた不安感】
- 自分がダメな人間なのではないか、段々みじめに思えてくる
- 将来不安がさらに膨らむ段階
- 行動に出る(解決策の一つ家を買う)
「T子」さんは、仕事で【住宅確保要支援者】とのかかわりから、30年後自分が困らないように行動に出ることにしました。家を買う際に下記の様なアドバイスを受けました。
- 家は35年の最長ローンで買い、70歳完済を目指す。
- 間取りは何時でも貸せる・売れるように4人家族向けの標準的な間取りとする。
- メンテ費用を極力減らすために、屋根は洋瓦・外壁は光触媒。
- 太陽光発電を設置して、老後のお小遣いを毎月生み出す。
- 土地は郊外に安く求め、但し市街地中心部かインターチェンジや工業団地の近くを狙う。
読者の皆さん!
「家を建てる」ことは、早めにして後悔した方は少なく、遅くて後悔する方は多いと言われています。その理由は、ローン完済年齢が遅くるからです。建てる建てないは個人の自由ですが、長年生きて、不動産という現実の資産を持つことは、自分の住処をつくり、精神的な安定につながると思います。(もちろん、賃貸派の主張、生涯住まいにかかわるコストは賃貸の方が安いも否定しませんし、尊重したいと思いますが)
以上、
これからも一緒に勉強して、賢い大人になるためいっしょに学んで
行きましょう!
それでは、皆さーん、いってらっしゃい!
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