こんにちはティカールです。
住宅会社最大手で8年間営業としての経験を積み、スーパーゼネコンの営業職へ転職。数年後に独立し不動産業をスタート。平成20年より会社経営。現在、Fireを達成。毎年数件ずつ収益物件を買い進めている。
屋根カタチを選ぶと言われても、今までの人生で一度も考えたことがなかったよ~。
何かヒントをもらえないかなぁ~(>_<)!
屋根を選ぶのワクワクする。
私、赤毛のアンの家の様な
大屋根の家がいいわ。
出典-グリーンゲイブルズ博物館-(https://www.annemuseum.com/index.php)
オクさまの夢も広がりますね。
でも、少しお待ちください。
屋根の形状を考えるためには、原則と例外パターンがあるんだ。
それを知らずに、住宅会社の提案を鵜吞みにすることは危険だよ。
何がいいのか、屋根形状の原則を知らないと、「良し悪し」を判断できないんだ。
実は日本を含むアジアの高温多湿な地帯では最適な屋根形状が決まっているんだ!
このことを知っているかどうかで、建築後のメンテナンス費用にまで影響してくるよ。外観のカッコよさは流行りすたりがある。一時期の良さよりも重視したいのはメンテナンス。一生ついて回るからね!
屋根は建築後、リホームで買えるのは至難の業だ!屋根の基本は絶対に知っていて損はない。わかりやすく説明するね!
この記事でわかること 5つ
- 歴史から見る日本を含むアジアの高温多湿な地域での屋根形状
- 雨こそ家を傷める最大の原因
- 軒の出が家の耐久性を増強させるポイント
- はやりの屋根形状に要注意
- 家の建築費より大切なのはライフサイクルコスト
家づくりが初めての人、マンションを検討している人、賃貸アパートをこれから借りる人、住宅会社と打ち合わせ中の人にも役立つよう、分かりやすく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事は初心者向けの考え方を示した記事です。住宅を検討する方の持つ趣味・思考等によっては、個別のケースでは当てはまらない可能性があります。ご承知置きください。
日本を含むアジアのモンスーン(高温多湿)地域での屋根形状
日本を含むモンスーン地域、梅雨や台風で高温多湿な気候にさらされる地域では、どのような屋根形状が良いとされてきたのか、世界最古級の木造建築にヒントがあります。
正倉院は約1280年前に建てられた木造建築だよ。
それでは問題です。
この建物の屋根にはどんな特徴があるでしょうか?
とにかく立派なこと!そして、鶴が羽ばたくように、屋根が四方へ伸びていることかなぁ。
雨こそ建物を傷める最大の原因
日本を含むアジアの地域は高温多湿、材料は木造なので、湿気に弱く腐りやすい、そこで建物を長持ちさせるためには雨が建物側面に当たらないことを第一優先に屋根がつくられています。また、基礎と上物の取り合い部分が、空気の出入り口となっています。つまり湿気の通り道でもあるので、ここに雨が当たらない事。 屋根の軒出が長ければ長いほど、建物の側面に雨が当たらないので外壁が長持ちします。従って、寄棟屋根でかつ軒の出が長い屋根が、建物を長持ちさせる上で一番優れていると言えます。
折りたたみ傘より、普通の傘がいい。
普通の傘より、ゴルフ場で使う大き目のパラソル傘がいい。
足元まで濡れない方がイイよね。あれと同じだよ!
多雪地域では切妻屋根
しかし、例外があります。多雪地域において、雪の重みで家の倒壊を防ぐため、急こう配の切妻屋根があります。2面の屋根を急こう配に配置しています。切妻屋根は屋根形状の単純化による雨漏れ防止効果が高い屋根です。
出典-富山県県観光公式サイト-(https://www.info-toyama.com/attractions/41003)
雪深い集落だね。長年の生活の知恵がたくさん詰まった家なんだろうね。屋根形状を単純化すると雨漏れポイントが少なくなるのもわかる気がするよ!
そうなんだ。切妻屋根は、2枚の平面を組み合わせた単純な形をしているよね。その棟(一番頂点にあるつなぎ目)部分の防水をしっかりすればいいんだ。それに比べて、寄棟屋根は4面の平面で成り立つから、防水面では切り妻がいいということになる。一般的には、寄棟と切り妻が優れていると言っていい。
赤と緑が雨漏れリスクポイント。しっかり施工すると、雨漏れリスクが少なくて済む。尚、方形屋根(四角錐)も寄棟の一つと考えていい。
さらに、軒の出を長くすることで、壁に雨が当たりずらくなるから、建物は長持ちする。
屋根形状のベストツートップは寄棟と切妻なんだ。※方形(ほうぎょう)屋根も同様です。
屋根にはこの派生形がたくさんありますが、雨仕舞の重要性からあまり衣装に凝らず、単純面を2面か4面組み合わせて雨仕舞することが大切です。
この記事でわかったこと2つ(赤)
- 歴史から見る日本を含むアジアの高温多湿な地域での屋根形状
- 雨こそ家を傷める最大の原因
- 軒の出が家の耐久性を増強させるポイント
- はやりの屋根に要注意
- 家の建築費より大切なのはライフサイクルコスト
次回、
- 軒の出がなぜ大事なのか、雨だけではない、軒の出を確保すればいいことづくめ。
- 今流行りの太陽光発電のために片流れ屋根にするのは、十分検討しよう
- 家の建築費より大事なのはライフサイクルコスト
について説明します。
続きを読みたい方は以下のページをご覧ください。
屋根形状(屋根ふせ)は「原則例外パターン」を意識して選ぼう!その2
今日の一言で結論。「原則:寄棟か切妻屋根を選ぼう!軒の出は長めにしよう。」
読者の皆さん!
今日は、最初に約1300年前の木造建築の屋根形状とその機能性についてお伝えしました。社寺建築における大屋根は本当に美しいです。仏像や宝物・大切なものを守るために、寄棟屋根は軒を壁から数メートル外方向へ伸ばしました。
鶴が羽を広げたような、曲線の美しさと、宝物を大事にするための工夫が、軒の出幅となって表れています。
日本で家を作るなら、古来の人々の知恵を学び、現代の建築に活かしたいとティカールは思っています。
社寺仏閣ほど長い軒(2~3M)を出す必要もないと思われますが、半間(約91㎝)ぐらいは、出したいものです。
アジアのモンスーン地域で建築をする際には雨仕舞の効果的な方法を理解したいものです。
家づくりの定石を知れば、業者からの提案が原則通りか・例外か、また、例外の際には何故例外の提案をしたのか、など、理由を聞いて判断することができます。
これからも一緒に勉強して、賢い大人になるためいっしょに学んでいきましょう!
それでは、皆さーん、いってらっしゃい!
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