こんにちはティカールです。
住宅会社最大手で8年間営業としての経験を積み、スーパーゼネコンの営業職へ転職。数年後に独立し不動産業をスタート。平成20年より会社経営。現在、Fireを達成。毎年数件ずつ収益物件を買い進めている。
家や土地・マンションを売るのは人生で初めてなんだ。
【高く早く売る】とっておきの方法があったら教えて?
不動産を売るのは、ほとんどの人が人生で1回あるかないかなんだ。だからやり方がわからないのも無理はないよね。高く売る方法、早く売る方法があったら、みんな知りたいはずだよ。
実は、高く売る方法、早く売る方法がある。しかも確実に!意外なところにね…。
でも、この方法は不動産のプロでも意外と見落としている人が多いんだ。
取って置きの方法だから、知っていて損はない。人によっては数万、数百万得をする人もいるよ。何度も言うけど、不動産取引は一度きりの高額な取引。しっかり準備して臨むことが大切!これからわかりやすく説明するね(^^)
この記事で伝えたいこと
- 不動産を売ることは特別なことではない
- 誰でも(モノも)大切に扱われたい
- 「買い手が何に価値を見出すか」を理解しよう
- モノの辿ったストーリーを家に反映させよう
- 購入者に大切にされていたことを伝える方法を理解しよう
- 一括査定サイトを利用する前にやるべきことがある
- まとめ
不動産の売却が初めての人、不動産を探している人、将来家を建てたい人、住宅会社と打ち合わせ中の人にも役立つよう、分かりやすく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事は筆者の建築不動産業界で約28年間の経験値を踏まえて、表した記事です。個人の趣味・思考・価値観によっては当てはまらない可能性があります。ご承知置きください。
不動産を売るのは初めての経験
「家を売ることは、人生で1回あるかないか」ほとんどの人にとって、馴染のないことです。しかし、毎年売りに出される家は全住宅の約1~2%(地域により若干異なる)。全住宅の100分の1から50分の1は毎年売りに出されます。従って、今あなたが住んでいる家や、あなたの実家は、50~100年以内に売る可能性が極めて高いのです。
なんだか、寂しい気分になっちゃったよ…。僕の実家もいずれ売りに出されるなんて‥。
そうだね、でもこれが現実なんだ。ロンくんの実家周辺でここ5年以内に、売りに出されている家、新しく引っ越してきた家があると思う。そう考えると50~100件に1件は(若干の地域差があるけど)かならず売りに出される運命にあるんだ。
そういわれてみれは、あの家もこの家も
時々、住人が入れ替わっている気がする…。
一つの集落に50~100件の家があれば、毎年どこかの家が売りに出されます。人の一生からすると、1回あるかないかですが、社会全体としてみると、よくある出来事なのです。
下の表をご覧ください、2003年の売却用空き家は30万戸、5年おきに35万戸、31万戸、29万戸、2023年では33万戸と、毎年一定割合の売り物件が出ており、その数に大きな変化はありません。
出典:「令和5年住宅・土地統計調査結果」(総務省統計局):統計局ホームページ/令和5年住宅・土地統計調査 (stat.go.jp)
人は「何に価値を見出すか」を理解しよう
ここで、不動産を売る方へ、中古住宅を買う人の心理が非常にわかるお話をご紹介します。とても参考になる話をするのでぜひ、お読みください。
「おばあさんと古道具屋」の話
昔むかし、あるヨーロッパの町に古道具屋さんがありました。正直者の店主の人柄からか、とても繁盛していました。
ある日、一人のお婆さんが包丁を買いに来ました。当時、鉄は貴重品でした。包丁の値段は高く、新品を買うお金はお婆さんにはありませんでした。
店主に勧められた包丁が2本、お婆さんの目の前に並べられました。そこで店主が言いました。「1本の包丁は、料理人が愛用した包丁です。料理人は私の友人でしてね、彼の作る料理は絶品でした。本当に美味しいお店だったので、毎日たくさんの人を笑顔にしたんです。30年間、毎日毎日、彼が丁寧に研いだので、刃はこの通り薄くなりました。お店は昨年閉店したのですが…彼も私と同じ年でね…。まぁ、手入れをすればまだまだ使える包丁です。そしてもう一本の包丁は・・・。」店主の声が一瞬止まりました。
「そしてもう一本の包丁は、ある事件が起きて、一度血に染まったことのある包丁です。」詳しい事件のことや包丁が使われた経緯は言えませんが・・・念のため調べましたが、こちらの包丁は品質に問題はありません。切れ味はほぼ新品ですよ!何といっても1回しか使ったことがないんだから…
2本の包丁のどちらを選ばれても値段は同じです。さあ、どちらにしますか?」
この話はここで終わりです。
さて、おばさんはどちらを買ったでしょうか?あなたならどちらを買いますか?
エピソードに隠された真実
この物語の作者:ボルドーは言っています「人が品物を買うとき、品物だけを買っているのではない、そこに流れるストーリーをも一緒に買っているのだ。」と。
2本の包丁の比較は次の通り
包丁の外観 | 何度も研いで薄くなった包丁 | ほぼ新品の包丁 |
性 能 | 切れ味はいまいち | 切れ味がいい |
お手入れ(メンテナンス) | 毎日研ぐ必要がある | 当初は不要 |
ストーリー | 30年間料理人が愛用。多くの人を笑顔にしたお店で活躍した包丁。 | ある事件で一度血に染まったことがある刃物(詳細は不明) |
へぇ~、今なら1000円で新品の包丁を買うけど…。
僕なら血の包丁を買って、メルカリで転売する!!
…ブラックジョークです。
私が選ぶとしたら、料理人が愛用した包丁を選ぶわ。その包丁には長い歴史と愛情が込められていて、使うたびにその料理人の思い出や技術を感じることができるから…。
物語の作者ボルドーの言葉「人が品物を買うとき、品物だけを買っているのではない、そこに流れるストーリーをも一緒に買っているのだ。」いい言葉だね。ものごとの本質を突いている気がするよ。人が何かを買うとき、高価なものや中古品の場合には、商品の価格・性能は勿論だけど、そのモノが辿ったストーリが大事なんだね。
人は「そのモノが辿ったストーリに価値を見出す」
不動産の売却は、中古品売買と同じです。本来新品に最高の価値があるとして、中古品は価値が低いとされるのが通常でしょう。しかし【そのモノが辿ったストーリーに価値を見出す】を上手に活用すれば、価値を高めることができます。次に新品よりも中古品に価値を見出す過程を見ていきましょう。
中古品が新品よりも価値が上昇する!?
「中古品が新品に勝る」場合もあります。たとえば、
- 木製の大人用バット
- 大谷選手が使用しているバットと同じモデルのバット
- 大谷選手が1回使用したバット
- 大谷選手が〇〇スタジアムで50号ホームラン50走塁を達成した時の、傷や土の付いたバット
この例では、新品が一番価値が低く、下へ行くにしたがって価値が増します。
バットという製品の価値より、バットの持つストーリーが強ければ強いほど、価値が上がっていくのです。この法則は、中古品売買においても応用できそうですね!(^^)
へぇ~目からウロコだね。
でも、どうしたらこの法則を中古住宅・中古マンション売買に応用できるの?
モノの辿ったストーリを家に持たせよう
それでは、次にモノの辿ったストーリーを家に反映させる方法を考えていきます。ストーリーは良いストーリである必要はありません、もちろん血で染まったストーリーでは逆効果ですが。ここでは普通のストーリーで充分と考えます。また、このストーリーを購入検討者へ効果的に伝えることができるかどうかが重要です。不動産媒介業者を通す場合、また、媒介業者が複数介在する場合には、効果的に伝わらない可能性があります。
中古品を買う人の心理 「飾」より「実」を取りたい
新品ではない中古品を買う人の心理は、多少の傷や凹みを気にしないという人も割合としては多いに違いありません。中古品が嫌なら最初から新品を購入するので、最初からお客様となり得ないのです。
「飾」より「実」をとる現実的な生き方をする人は、小さな壁紙の傷、ドアの凹みは織り込み済みです。なぜなら、私が住んでも誰が住んでもできる傷・凹みだからです。
これらをを修繕するのに多額の費用がかかる場合に、やらない選択肢もあると思います。
人もモノも大切にされたい(例外はない)
話は変わりますが、弊社へ来場するお客様に対して、私は、どのような方にも、平等に大切に応対するよう心がけています。
また、大切にされたいという気持ちをだれもが持っています。「〇〇さんの息子さん」ではなく「〇〇家のお坊ちゃま」「娘さんではなくお嬢様、御令嬢」「〇〇さんの奥様ではなく、令夫人」など、言われた方は気恥ずかしさを感じますが、内心嬉しいものです。物にも命があります。何十年と家族を守ってくれた家です。家も大切に扱われたいはずです。
私もそうですよ。昔は「姫」と呼ばれていたんです。
今では、お蕎麦屋さんでレディースセット「姫ご膳」を注文するくらいですけどね…。(^^)
僕も一目見た時から「何か違う、良家の姫君に違いない!」と思ってたんですよ・・・。
えっ?
僕は殿!
美女と野獣よ!
・・・。(^^)
購入者に「大切にされていた家」と伝えるには?
障子が破れても貼らない部屋
雑草が伸び放題になっている家
大切にされていたことを相手に伝えるには、どうすればよいのでしょうか?購入希望者が感じ取っていただくには、どのような対策を立てればよいのでしょうか?実はとても簡単なことをすればよいのです。
大切にされていたことが伝わる例
- 敗れていた障子が貼ってある
- 伸びた枝は切る。庭はキレイに除草する。
- 汚れた窓を拭く
- 換気扇やコンロの油汚れはできるだけ掃除しておく
- 家の中は大事なお客様が明日いらっしゃると思って整理整頓する
- 捨てきれない場合には、不用品を一部屋にまとめておく(掃除の途中であることがわかる)
- お金を掛けずに自分たちでできる精一杯を心がける
えっ?
これだけ…。
そうなんです。中古住宅を買う人は、多少汚れていても、壊れていても、少しリホームが必要かもしれないという、前提で探している人がほとんどなのです。現在の状況よりも、目に見えない過去の使われ方を気にするのです。大切に住まわれてきた家なのかどうかのストーリーですね。
障子が破れていても気にしない人、庭木の手入れ(高木は専門家にお願いするとして)低木でも手入れをしない人、窓が汚れていても拭かない人は、「愛情のない人が住んでいたのだなぁ、おそらく配管や床下の見えないところも、不具合があっても修理していないだろうなぁ。」と推測されてしまいます。
また、お台所は汚れやすい場所です。厨房を見れば料理人の腕前がわかるというくらいですから、換気扇やコンロの汚れがそのままだと、相手に与える印象は「かなり悪い」です。
また、家の中の片付けも、必ずしもぬけの殻にする必要はありません。整理の途中であっても、一か所にまとめて「片付けがすすんでいるなぁ」と相手がわかるような状態を作り出すことが大事です。場合によっては、「遠くから毎週通って、片付けをしているんですよ。」と案内人が言うだけで、「大変ね、テーブルや本棚など、捨てる家具ならいただけないかしら・・・。」となり、処分費を大幅に節約できるケースもあります。人は大事に使っていた人のモノならもらいたい、引き継ぎたい。と思うものです。まして「飾」より「実」の人なら尚更でしょう。
売る前に家主が自分で磨いたコンロ
一括査定サイトを利用する前に
不動産を高く売る方法は、一般的に
- 市場価格を把握する
- 複数の不動産会社に査定を依頼する
- 物件の魅力を最大限に引き出す
- 売却のタイミングを見極める
- 適切な媒介契約を選ぶ
と言われています。しかし、これまで解説した、「大切にされていたことが相手に伝わらないケース」では次のようなことが起こってしまうのです。
市場価格を把握するはずなのに⇒ | 建物の維持管理が不十分であれば、市場価格よりも安値評価を受ける。購入希望者から整備不良分をネタに値引き交渉が入る。 |
複数の不動産業者へ査定を依頼するものの⇒ | 建物評価が延びない。建物が古くて管理が悪いと解体更地渡しの提案をされる。解体費を土地代から割り引く、手残りが少なくなる。 |
物件の魅力を最大限に引き出すつもりが⇒ | 引き出す前に、マイナスをゼロに戻すことが必要。つまり、解体した方が良いとの判断。建屋付がマイナス評価になる。解体することで(ゼロになって)初めて、魅力を引き出すことができる。 但し、解体費用が余計に掛かる。 |
売却のタイミングを見極める前に⇒ | そもそも、買い手がつかない。または、不動産業者に安く買いたたかれる。 |
適切な媒介契約を結ぶ⇒ | たとえ何社と媒介契約を結んでも、営業が「これは売れる」と確信がなければ、案内してもらえない。案内してもダメが続くと、売る気が起きない。誰も紹介しなので、時間ばかりが経過する。結局売れない。 |
一括査定サイトや複数の業者に査定をお願いしたり、一般媒介にして競わせたり、リフォームして価値を増やしたりする前に、やるべきことがありますよ(^^)まずは、簡単に、お金を掛けずにできる手短なことから始めよう!
まとめ:不動産を高く早く売る方法【購入者の気持ちを考えよう】
今回は、不動産売却について、早く高く売る方法について解説しました。買う側の立場に立って考えることが重要です。
- 不動産を売ることは特別なことではない
- 誰でも(モノでも)大切に扱われたい
- 買い手が何に価値を見出すか、を理解しよう
- モノの辿ったストーリーを家に反映させよう
- 購入者に大切にされていたことを伝える方法を理解しよう
- 一括査定サイトを利用する前にやるべきことがある
- まとめ
不動産を売ることは殆どの方が初めてですが、人でもモノでも大切に扱われたいという気持ちを持っています。例えば、お嬢さま、お坊ちゃまと言われて嫌な気はしません。また女性を姫と呼んで嫌がる女性はいないことからも、この事実は明らかです。
次に、おばあさんと古道具屋の話をしました。人はモノそのものに価値を見出すのではなく、モノが辿ったストーリーに価値を見出すことがわかりました。住宅も然り、購入者は中古品を買うことを理解しています。「飾」より「実」を取る人々です。購入者は、大切にされてきた人のモノを欲しがります。逆に、ぞんざいに扱われたものを、高値で購入する人はあまりいないでしょう。
次に、購入者が大切にされた家であることを理解するためには、家の修繕・整理整頓を見える形にすることが大切です。必ずしもお金をかけたからそうなるのではなく、素人でも精いっぱい努力すれば、大切にされている状況をつくることができます。
また、一般的な高値売却のやり方では、「大切にされていた感覚」が伝わりません。営業担当者にも本気になってもらい、営業をすれば決まる物件である点が伝わるよう、今自分たちができる精一杯をすることが大切です。
次の4つを覚えておくことが大事です。
4つのポイント
- 買い手は【モノの辿った経緯を知りたがる人たちである】点を理解しよう
- 自分たちにできること(修理・手入れ)から始めよう
- 「大切にされている」と伝わるイメージを物件に持たせよう
- リフォームは完璧じゃなくても大丈夫であることを理解しよう。
一言で結論 「思いは伝わる、お金をかけるより、自分たちの手近なことから始めよう。
読者の皆さん!今回は一般的な高値早期売却の話とは違ったかもしれません。
最後に私の印象深いお客様のお話をして閉めたいと思います。
18年前、ある家の売却のお手伝いをした時の話です。その家の住人は、中小企業を経営する社長の夫と妻、夫の母親の3人暮らし。社長が事業に失敗して、競売にかかる寸前、任意売却の話を進めていました。しばらくして中年の男性が興味を持ち、現地を見たいという段階に来ました。
建物は、20年ぐらいでした。和風の建物でした。グレードは中から下程度、そこまで立派な和風建築ではありありませんでした。
ところで、通常競売にかかる寸前の物件は、それなりに荒れている人が多いのです。ところが、その物件は社長のお母さまが大正生まれの矍鑠(かくしゃく)とした方で、お掃除好きでした。いつお伺いしても床がピカピカでつるつる。光彩を放っていました。
私は「珍しい家だなぁ、家族はお金で大変なのに。競売にかかる寸前なら、裁判所から書記官が来て、おそらくお母さまもいずれ人手に渡ることがわかっているはずなのに。」と思いました。
来る日も来る日も、毎日毎日床をピカピカにお母さまは磨き上げていらっしゃいました。
その後、任意売却は決まりました。決め手は、ピカピカの床、買主は私と内見した後、何度も何度も見に行ったそうですが、毎回、お母さまが掃除している姿が見えていたそうです。
結果として、私が査定した金額よりも高い金額、相場よりも明らかに高い金額で売れました。不思議です。査定よりも500~1000万円は高かったと思います。
以上、不動産取引は一度きりの高額な取引です。しっかり準備して臨むことが大切です。
これからも一緒に勉強して、賢い大人になるためいっしょに学んで
行きましょう!
それでは、皆さーん、いってらっしゃい!
余談:お時間のある方は以下もお読みください。
僕、ティカールの中古品に対するスタンスは次の通りです。不動産業をしていると経営者仲間や、お客様、いろいろな人から物をもらうケースが多いのですが、ステップアップしている方の中古品は、あやかれると思い、有難く頂戴するようにしております。
逆に、人生上手くいっていない方、没落した家の美術品などは、たとえキレイであっても、もらいません。(買取屋さんにつなぎます)
中古品には相手の気がどうしても染み込みます。宇宙のすべてのものは波と粒子の性格を持っている。素粒子でできています。だから、良い波動を持っているか、悪い波動を持っているか、これは非常に重要であると考えます。
でも、仕事柄、中古住宅で、お家が破産したり没落した家を引き取る場合はどうすればよいか?これは僕なりのルールなのですが、徹底した掃除・整理整頓・自分がそこに住めるレベルまで、キレイに磨き上げます。
そうすると、非常に気が清んできます。(気とは、小学生の時、初めて友達の家に行った時、その家の持つ空気や臭い、良い気がするか、自分の家より嫌な感じがするか、誰でも感じるあの気、空間の持つ、ずっとそこにいたいか、いち早く立ち去りたいか?みたいなものです。)
また、相手の波動が自分に来るのが嫌なので、なるべく新品を買うように心がけています。主に物品においてですが、土地や建物はそうもいかない場合があるので、清掃・整理を徹底して、物の持つ波動というかオーラがキレイになるように、そして、自分に悪影響を及ぼさないように、心がけています。
ほとんどの方が、もらえるものなら貰う。というスタンスだと思いますが、何をもらうか、よりも誰からもらうかが大事です。
そして、なるべく買えるのは新品を。中古品なら、物の持つマイナスの波動は清掃と整理、そして手入れや修理で変えていきましょう。
皆様の参考になれば幸いです。
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