【中古住宅投資】エリア選定のポイント

不動産投資 エリア選定のポイント

エリア選定のポイント:負けない不動産投資の秘訣

 今回は私の投資スタイルについてご説明いたします。なるべくわかりやすく解説しますので、最後までお読みください。

 さて、不動産投資を始める際、最初に考えるべきはエリア選定です。アパートか戸建か、マンションか一棟貸か、も重要ですが、何に投資するかよりもどこで投資するか、これが重要です。

 どこで、というのは、儲けやすい場所か、儲けずらい場所か、ということと同義です。儲けやすさは、人口動態に比例します。

 人口が増加傾向の町では、比較的商売が上手くいきます。その逆は厳しい戦いが予想されます。

 人口が増加傾向の町は、作れば入る傾向があります。人口が10年後も変わらないエリアでの投資はまあまあ安全性が高い。人口減少傾向エリアでの投資は、厳しい戦いが予想されます。(価格競争で賃料が安くなったり、賃貸需要は一定でも、築古から新築へ横滑りするだけ家賃も伸びない傾向があります。)よって、もし、あなたが不動産に初めて投資するなら、人口増加傾向の都市、又は10年後も人口が変わらないと予想されるエリアで物件を探し始めることをおすすめします。

地方と都会、どちらを選ぶべきか

 都会か地方かを選ぶ必要がありますが、都内の一戸建て中古物件は高額で、表面利回りが5%を切ることが多いです。実質利回りはさらに低くなるため、投資としての魅力が薄れます。

そこで、地方都市で人口が減りにくい、もしくは増加傾向にあるエリアを選ぶことが重要です。市全体で人口が減っていても、駅近やインター近など、特定のエリアで人口が増えている場所を狙うのがポイントです。ニッチな増加エリアを選びましょう。

物件が出たら、机の上で調べてから現地を見に行こう

 物件が出たら、現地を確認する前にできるだけ多くのデータを集めることから始めましょう。今はネットの普及で、現地調査や役所調査をしなくても、ある程度の情報を得ることができます。

 次に集めた情報を基に机上シュミレーションをします。あらゆることを想定してシュミレーションするのですが、初心者には何を検討すればよいかわからないところが多いと思います。

 最初はそれでもかまいません。集めた情報から、買うべきか、いくらなら買うべきか(採算が合うか)、タダでも買うべきではない物件か?など、買う(いくらなら買う)・買わない、を自分なりの結論を出す癖をつけることが大事です。(自分なりの見立てを持つとも言えます。)

 なぜなら、この情報は他の人も同じように検討しているからです。結論のスピードが重要です。チャンスは2度なし、良いと思ったら速攻で、買い注文を出さなけば相手に負けてしまいます。

 この机上シュミレーションは次に現地を見る、役所で不明点を調査する、そのことで物件の全容が理解できた時点で、ジャッジ(判断)をします。買うか、いくらなら買うか、買わないか。この2択しかありません。

 どんな物件に対しても、買うなら幾らか? 自分なりの見立てをつけれる人になりましょう。

 では、現地を見る前の調べ方の話に入っていきます。

最初に、国立社会保障・人口問題研究所のHPを開きます。

都道府県・市区町村の男女・年齢(5歳)階級別将来推計人口⇒都道府県別に整理したファイルはこちら⇒調べたい都道府県⇒エクセルファイルをダウンロード

人口減少が激しい地方都市の事例 秋田県由利本荘市

例えば、調べたい都道府県を秋田県を選び、秋田県由利本荘市の場合を見てみましょう。

 調べたい都道府県の人口の将来推計をダウンロードした結果を見ましょう。

 下の表をご覧ください。由利本荘市は、2025年に6.9万人が10年後5.79万人となり、更に20年後に4.7万人、10年で1万人が減るとい恐ろしい、減少率となる過疎化が進む町であることがわかります。人口減少が激しい街で物件を買うときには注意を要します。

 超街中で駅から近い場所や、郊外のロードサイドビジネス用の物件を買うなど、人口減少の影響を受けづらい場所であるかどうかを確認しましょう。郊外の一戸建て、郊外のアパートは苦戦を強いられることが予想されるので、例えばアパートを買う場合には相場よりもはるかに安い金額で購入できるケース以外は、相当慎重に購入を検討する必要があります。

出典:国立社会保障 人口問題研究所 『日本の地域別将来推計人口(令和5(2023)年推計)』

日本の地域別将来推計人口(令和5(2023)年推計)|国立社会保障・人口問題研究所 (ipss.go.jp)

人口が緩やかに減少する地域 宮城県名取市

 東北の仙台市の隣、ベットタウンとなっていて、イオンモールや仙台空港も近い宮城県名取市を見てみましょう。2050年までの約30年で、ほとんど人口が減っていない予想となっていることがわかります。

 ちなみに5歳刻みで予測が出ているので、例えば家族向け物件の場合には、25~50歳ぐらいの人口動向をチェックします。1LDKなどのシングル向けの場合には、学生である15~19歳も考慮に入れます。女性限定の場合には、女性の人口をチェックします。

 物件がどんな人を対象にしているかにより、該当する人口動向をチェックしてみましょう。

 当初30年間、人口が減少しない都市は、投資適格と言えます。相当なヘマをしない限り、失敗する確率は低いでしょう。たとえば、既に満室稼働の築20年以内のアパートであれば、危なげない投資と言えます。大きく儲からないでしょうが、大きく損もしない投資と言えます。

投資スタイル:負けないことを優先

私の投資スタイルは「負けないこと」を優先しています。負けるとは、入居者が入らない、予想外の費用が発生して毎月の手出しが増えるなどの状態を指します。この状態を回避するために全力を尽くしています。

 負けないためには、大きく儲ける必要はありません。大きく儲けるためにはリスクを取る必要があり、その裏には大きな損失の可能性が潜んでいます。毎月のキャッシュフローが10万円あれば理想ですが、2万円でも3万円でも長期入居につながる施策を重視しています。

なぜ負けないことを優先するのか

 投資の世界は、勝つか負けるかの2択です。投資はお金を増やすために、銭儲けの為にするものです。皆、勝つことを目的にやります。しかし、勝には大きくかつを目的とするため、大きく勝つことと、大きく負けることは表裏の関係にあります。そして、大きく負けることは、ゲームからの撤退を意味します。不動産市場から追い出されるということです。

 では、大きく負けない投資とはどのような投資でしょうか?それは、負けない投資です。負けなければ続けることができます。少しの利益を積み上げる投資と換言できるかもしれません。

 周りは、皆、勝つことを目標にするので、大きく負けた場合に撤退します。だから、負けなければ、10年も経過してごらんなさい。周りはいなくなり、自分だけが生き残っているという状態が現出されるのです。つまり、大きく勝たなくてもいいから。絶対負けない。マイナスだけにはならないような手堅い投資スタイルを継続できるかどうかにかかっています。

投資の世界では、長期・分散・積立が大きく負けないキーワードです。

 長期とは、毎月・毎日、コツコツと儲けること。毎月のキャッシュフローが少し出ればよいという程度で良しとすることだと思います。賃貸においては、家賃から返済及び固都税や火災保険料を払って、最終手残りが若干出ればよい、この程度で満足することだと思います。

 分散とは、1つの物件に集中しない事、物件を数多く保有することです。最初の内は難しいかもしれませんが、地域を分散する(北と南で持つ)業種を分散する(アパートと店舗)人種を分散する(一人暮らしとファミリー)構造を分散する(木造・SRC鉄骨鉄筋コンクリート・RC鉄筋コンクリート)など、とにかく、1分野に集中しない事です。投資の格言(卵を一つのカゴに盛るな)と同じです。期待値を分散する保険の仕組みと一緒です。

 積み立てとは、坦々とやること。買い進めるという機械的な作業を飽きないで続けることです。

 では、具体的な事例で見てみましょう。

具体的な投資例

例えば、1000万円で購入した積水ハウスの中古戸建て物件があります。この物件の詳細は以下の通りです:

  • 購入費用: 1000万円
  • 諸費用: 30万円
  • リフォーム費用: 70万円
  • 総投資額: 1100万円

この物件を現在9万円で貸し出しています。以下は毎月のキャッシュフローの詳細です:

  • 家賃収入: 9万円
  • ローン返済額: 5.5万円(当初)
  • 固定資産税・保険料等: 1.5万円
  • 毎月の手残り: 2万円(税引き後1万~1.5万円)

元金均等返済を採用しているため、現在のローン返済額は約4.8万円となり、毎月の手残りは約2.7万円です。元金均等返済は年々支払額が減少するため、将来的にはさらに楽になります。

築古木造・人口減少エリアの場合

築古木造や人口減少エリアの物件でも、しっかりと調査を行うことが重要です。不動産の重要事項説明を超えるレベルで調査し、既に貸している物件の姿を描きながらあらゆる可能性を探ることがポイントです。

たとえば、積水ハウス・大和ハウス・ミサワホーム・セキスイハイムなどの大手メーカーの場合、構造の問題が発生する確率は極めて低いと見ます。また、木造よりは鉄骨の方が、経年劣化で構造に問題が発生する確率が低いです。

 在来木造をベースにした住宅会社は傾きや梁の歪み・沈み込みが発生する確率が高いです。

 ※積水ハウスでも、ノイエというローコスト、ミサワホームでも在来工法があります。

 ネームバリューは買いたいが、そこまでお金が出せない人向けにラインナップしています。

 大手だから安心ではなく、大手の本来の工法は、結局在来工法であることに留意します。

 大手の本来の工法は、積水ハウスの鉄骨、ミサワホームのパネル工法またはユニット工法(現在は撤退)、大和ハウスの鉄骨、ハイムのユニット工法、パナソニックホームズ(ナショナル住宅)の鉄骨です。

 このあたりの工法なら、30年以上経過しても構造に問題が出る確率が少ないでしょう。

 大手会社でも、在来工法はあくまで在来工法と理解しましょう。

 築古物件の在来工法の安全度を調査するには、いろいろな経験や知識が必要です。自信のないうちはインスペクションを頼む(建物の詳細調査3~10万円)などして、自己責任で購入を検討しましょう。

まとめ

 今回は、私が実践している不動産の投資スタイルを紹介しました。

今回の記事のまとめ
  • エリア選定について、人口動態を意識してなるべく追い風か無風(増加か10年後も変わらないエリア)を選びましょう。
  • 都会と地方都市では、都会は既に利回りが取れないので、地方都市でもニッチなエリア(インターチェンジの近くや発展しそうなエリア)を狙いましょう。
  • 物件が出たら、遠方であってもできるだけの情報を集めて机上シュミレーションをしましょう。どうしても現地でなければ得られない情報は現地で収集して、現地を見たら結論を出す癖をつけましょう
  • 投資は勝つことに狙いを定めると、きつくなります。負けないことを優先しましょう。負けることは、ゲームからの撤退を意味します。大きく負けなければ、周りは毎年負けるので、10年も経過すると、自分だけが勝っている状態になります。

尚、現地の見方については初めての土地探し【現地は何回見ればいいの?】で解説していますのでこちらをご覧ください。

 以上について解説しました。このように、エリア選定と物件選定の基準をしっかりと持ち、負けない投資スタイルを貫くことで、長期的に安定した不動産投資が可能になります。あなたの投資スタイルが成功することを願っています!

以上、感想などお聞かせいただければ幸いです。

では皆さん、いってらっしゃい!

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