【初心者】理想の窓ってどんな窓(窓の配置編)

家の窓

こんにちはティカールです。

 住宅会社最大手で8年間営業としての経験を積み、スーパーゼネコンの営業職へ転職。数年後に独立し不動産業をスタート。平成20年より会社経営。毎年数件ずつ収益物件を買い進めている。

ロンくん
ロンくん

ティカール君!その1で「引き違いサッシが一番いい窓」はわかったけど…。どの部屋にどんな窓をつければよいか教えてくれるかなぁ?

ティカール
ティカール

喜んで!(^^)

窓の配置で重要なのは「各部屋にどんな窓をつけるか」ではなく家全体の「風の通り道」を考えて最適配置することなんだ。

ここを軽視して、個別の窓を配置する人が多いんだ。

ロンくん
ロンくん

へぇ~設計士さんに任せれば、家具の配置やテレビをどこに置くかなど、いろいろ考えて窓を配置してくれると思っていたのに、意外だね。木を見て森を見ず、じゃダメなんだね。

ティカール
ティカール

そうだね。例えば窓を最適配置しないと、

大きな窓は住んでみて、家具をその前に置くこともできる。でも、窓のない壁に後から窓をつけることは難しいんだ。(構造上窓を開けられない壁があるからね。)

前回も話したけど、自分が主体的にならないと、業者にとって都合のいい窓配置になってしまう。後で、この壁に窓が欲しかったぁ~、と言っても後の祭りだよ。今日は「窓の配置の第一優先は風の通り道」について解説するよ。

オクさん
オクさん

お任せコースは、行きつけの美容師さん以外、信じちゃだめよ(^^)

ティカール
ティカール

ですよねぇ…。

オクさん、お任せコース好きですよね(^^)

 お家ちを考え始めたものの、窓についてあまり考えないで、ハウスメーカーや設計士に任せる人も少なくありません。

  • 「どんな大きさの窓がいいのかわからない…。」
  • 「いろんな開け方の窓があるけど、迷って決められない…。」
  • 「予算や部屋の広さばかりを優先して、窓のことが全く頭になかった…。」 

など、見落としがちな「窓」。何を選べばいいのか分からずに悩んでいる人は大勢います。

 そこで今回、風の通り道意識した窓の最適配置を解説します。

今回の記事でわかること

風の通り道を意識した窓の最適配置について理解できます。

この記事を読めば、窓を各部屋でどのように配置するかに迷いがなくなります。そして、家を建てた後に、この壁に窓をつくればよかったと後悔することが少なくなります。設計士から提案された窓が、自分たちにとってベストかどうか窓選びの疑問が解決します。

家づくりが初めての人、マンション・建売を検討している人、賃貸アパートを借りている人にも役立つ情報を、分かりやすく解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事は初心者向けに考え方を示した記事です。住宅を検討する人の持つ趣味・思考等によっては、個別のケースでは当てはまらない可能性があります。ご承知置きください。

ティカール
ティカール

窓配置の全体最適=「風の通り道」は室内建具や家事動線、家具配置にも影響する、間取り作成で最重要なポイントなんだ。

風の通り道は、簡単に理解できる内容だからしっかり学んで自分のモノにしていきましょう(^^)

窓の最適配置は家全体の風の通り道から考える。

窓の配置計画は、部屋個別に考えるのも大事ですが、最初は家全体の間取りから風の流れを意識して考えます。ここでは事例から一緒に学んでいきましょう。

風の通り道 原則:その1 一つの部屋に2か所以上の窓を配置しよう

例えば、下記の間取りで考えましょう。この家は総2階建て33坪。2階は4部屋あります。

この間取に風の通り道を意識して、窓を配置すると次のようになります。

絵心がないので、上手く表現できませんでしたが、お判りでしょうか?1つの部屋に異なる方角に2つ窓があれば、風が抜けます。階段には、手の届く位置に窓をつけると、洋室のいずれかが空いていれば風の通り道ができます。

ロンくん
ロンくん

なるほどね!
昔から、良い話が舞い込むことを「いい風が吹いてきた!」とか
上司と部下のコミュニケーションがしっかり図られている組織を「風通しの良い組織」とか言うよね。

ティカール
ティカール

ロンくん、今日は頭が冴えているね(^^)

窓を引き違いサッシにすることで、外の天候を見ながら風の量をコントロールできる。自然を風を柔軟に取り込むことができる。昔の日本の家屋も外気を取り込むことで、室内に臭いや湿気(悪い気)が溜まらないように工夫されている。

現代を生きる私たちも変わらない原則。家づくりに活かそう!(^^)

ロンくん
ロンくん

僕にもやっと風が吹いてきたみたいだね。この風を逃さず、今漕ぎ出すぞ!

風の通り道 原則:その2 収納よりも窓を優先しよう

ティカール
ティカール

次に、僕が設計して、お客様からもっとこうしてほしかった、と言われた事例を、反省を込めて紹介します。
窓配置は失敗じゃないけど、ベストじゃなかった、と思える事例なんだ。
念のため、間取り図公表はお客様のご承諾を得ていますが、特定されないよう、少しアレンジを加えます。次の図を見てください。

 この間取は、風の流れを意識して、窓を最適化しました。ところが建築後、半年ほどたったある日、こちらに住む奥さまよりご指摘を受けました。

 赤で示された場所になんだか気が溜まる。ここが暗くて、子供が二階の子供部屋に行きたがらないの!?と言われてしまったのです。 実際にその場に行くと、ライトを消すと確かに暗い。この家の中で唯一、暗さ・気が溜まっていると感じた場所でした。

 次の図面をご覧ください。

 緑の個所は、階段の上り口の上のスペースを利用した収納です。私はこの設計に当時収納と採光とどちらを優先すべきか、悩んだ結果、収納の多いことを優先しました。次の間取りが本当はベストだったのではないかと思うのです。

赤の部分を見ると、収納でもあるが、建具を開くと明るい窓がある。折り戸は開放にもできるし、収納庫にもなる。こうすれば、この家の、気の溜まり、廊下の暗さを解消できたのではないかと思うのです。

風と光を自然から取り込むことが窓の役割

ティカール
ティカール

窓の役割は、6つあると言われているよ。自然を取り込むこと、逆に自然から身を守ること、この2つに大別されるんだ。

窓を開けること(解放)と窓を閉めること(隔絶)で得られる効果。

窓の役割を再度確認しよう
  1. 採光: 窓から入る自然光は、室内を明るくし、快適な生活環境を提供します
  2. 換気: 窓を開けることで、新鮮な空気を取り入れ、室内の湿気や匂いを排出します
  3. 断熱: 断熱性能の高い窓は、外気の影響を受けにくくし、室内の温度を一定に保ちます
  4. 防犯: 防犯ガラスや小さな窓は、侵入者を防ぐ役割を果たします
  5. 遮音: 窓の気密性が高いと、外部の騒音を遮断し、静かな環境を保てます
  6. 眺望: 窓からの景色を楽しむことで、リラックス効果や開放感を得られます
ロンくん
ロンくん

こんなに種類があるなんて知らなかったよ~。採光と換気は、窓開けの役割だね。断熱・防犯・遮音は窓閉めだね。最後の眺望は、どちらにも属さないけど…。でも外を見たいという意味では山や海、空や星、など美しい景色を見たいから窓開けかなぁ~。(都会の夜景も美しいけどね…。)

ティカール
ティカール

ロンくん。いいところに気が付くね(^^♪赤は自然を取り入れる。青は自然を遮る。を表しているんだ。自然を遮るなら、竪穴式住居や洞穴、岩陰でいい。

大自然の息吹を取り入れたり、時として厳しい自然から身を守るのが窓・家の役割そのものなんだ。自然を取り入れられなければ、窓でもなければ家でもない。洞窟や洞穴の生活と変わらないよ。窓の開閉は、お家ちそのものの役割と言えるんだ。

人工物に囲まれるとヒトはバイオリズムに不調をきたす。

 窓の第一の役割は、自然を遮断するのではなく取り入れることにりあります。

 科学の発展によって、ヒトは自然光のかわりに、白熱電球や蛍光灯、LED照明を使用することになりました。また、風のかわりに扇風機や換気扇・エアコンを使用するといった具合に、大自然が人工物にとってかわられたのです。

大自然人工物(自然の真似をした)
太陽光・月や星の光ロウソク・電球・LED照明
自然の風扇風機・換気扇・エアコン

 しかし、近年人工物に囲まれた社会で、体と心に不調をきたす人が増えています。心の病や精神病の患者も、毎年増加の一途を辿っています。

 人工物に囲まれればヒトのバイオリズムに不調をきたすのは自明です。その為、建築においては緑を取り入れるように工夫がなされているのです。

シンガポール チャンギ空港

ティカール
ティカール

「原則:大自然を取り込む、例外:自然を遮断する」と覚えておこう。

 

まとめ:理想の窓ってどんな窓 その2 窓の配置編

今回は、理想の窓ってどんな窓、「風の流れの重要性」について解説しました。

  • 窓の最適配置は家全体の風の通り道から考える。
  • 原則として1つの部屋に2か所以上の窓を配置しよう
  • 原則として収納よりも窓を優先しよう
  • 風と光を自然から取り込むことが窓の役割
  • 6つの役割を考える。大自然を取り込む(解放)と大自然からの隔絶(遮断)
  • 人工物に囲まれるとヒトはバイオリズムに不調をきたす。

 一言で結論 「人は自然の中でしか生きられない。LED照明より自然光、エアコンよりも自然風!ここを外さないで、風の通り道、光の入る方向を意識して計画すれば窓の配置は最適化されるよ。」

それでは皆さんいってらっしゃい!

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